2013年12月2日月曜日

見出された者たちへ

見出された者たちへ


「ICUキャンパスに息づく植物・言葉」 風間晴子先生 写真展より
湯浅記念館の展示のインスピレーションより。


ICU に咲く野の草。
君も花が咲くのかね。
誰に、知られることもなく、太陽の力と大地に張った根で、自らの花を咲かせるのかね。
君の名は、なんというのかね。

一枚の写真がすべてを変える。
風景の中に、
雑草の中に、
かき消されてしまいそうな その花が

一枚の写真によって、すべての事象から切り離されて
写真の中に主人公になる。
何気ない そう、何億年、何万年と咲きつづけてきた花なのに
誰かに注目されることもなかったかもしれない
しかし、今は違う。
こんなにも輝いている。
すべての一瞬がそこに捉えられている。
その瞬間を、いつも、待ち、逃さぬように、気を配りつづけた人
その眼は、あなたの一番美しいときを逃さなかった。
しかも、なにげなく、写されたものではなく、外界を遠くに追いやって
あなたをその中心に据えたのである。

おどろくのは、それだけではない。
その瞬間瞬間の数々の連なりがそこにもあった。
どれが美しいのか競うあうわけでもなく、
個の輝きに、見る人の驚きを楽しむように
それは、
連ねて、存在する

このわずかな地に
季節という時の流れに、
これほどまでに、主人公となって写された、小さなアイドル達がいたとは。
きっと、その瞬間、君たちは、そのカメラの中のアイドルだったにちがいない。
そして、カメラが去ると、人知れず、息を潜めていた、小さなアイドルは、
畳んであった小さな羽を、広げて、空中を飛び回ったかもしれないね。

人間の経済の価値の世界からみれば、なんの意味のないモノトーン大地に、
人間の好奇心の眼は、鮮やかな世界を見つけ出す。

それは、人間の社会の価値の世界でみている このモノトーンの社会に
違う世界が、厳然と存在することを、主張しているようにも見えた。
地位も、名誉もないあなたの花を、写してくれる人がいるに違いない。と。

                (11/1 ICU祭よせて by kimito KUROSAWA)


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