図書館の未来を語ろう(7/8/2005)
人類に長き歴史の中で、人は、文字を紙の上に固定することしかできなかった。
しかし、今、人類は、文字を、コンピュータの上に固定することに成功した。
このことは、いったい、何を意味しているのであろうか。
この意味を、考えなければならない。
いままでは、図書に関するカタログ情報をなんとか、コンピュータ上に乗せかえることに
汲々としてきたが、
いまでは、本、雑誌 そのものをコンピュータの中に乗せかえることに成功してきている。
それは、空を飛べなかった人類が空をとべるようになったほどの変化である。
暗い夜を、提灯の明りで歩いた時代から、昼間のように電気を利用できるようになったほどの変化である。
いつしか、本はLPやCDのようになってしまうのかもしれない。
100冊の図書には、数十キロの重さがあるが、100冊のデータには、重さはない。
4000万枚のクレジットカードを運ぶのに、何十台ものトラックを必要とするのに、そのデータには、重さもなく
トラックも必要もない。
私は図書がなくなるといっているのではない。
かつてのように、紙に印刷されないかぎり、情報と言えなかった時代から
それ以外の方法がみつかり、それが、今は、中心的になっているということだ。
印刷されることが、かつてのように最終形態ではなく、副次的存在で、マスターが常に
コンピュータの中に潜む時代になったということである。
情報を複製するのも、コピーマシンしかなかった時代から、いつでも、コンピュータからプリントできる時代になったということである。
だから、考えなければならない。
このマスター情報を、コンピュータに潜む情報を、どのように使うことができるのか、考えなければならない。
そして、そのことを知っているのは図書館である。
かつて、ろうそくの明るさから、ランプに変わった時の驚きを
ランプからガス灯へ、そして、電球へ、蛍光灯へ次々と変化していく中で
明るさというものを追求していく中で、化学変化の力から電気の力へ変化してきたように
情報というものを追求していきながら、紙から、コンピュータになってしまったのである。
あなたの目は、ランプの世界をみているのか
あなたの目は、電球を見ているのか
しかし、誰もそれを問うこともない。
時代は、ただただ変化していくのみである。
100万冊の図書の量に、図書館の未来をみるのか
重さも、棚もない、何かに、図書館の未来をみるのかは
それは、一人一人の世界である。
だから、あえて語ろう。
図書館の未来を語ろう。
情報は今、紙の上から、コンピュータの中に潜むのだと。
そして、人々の意識も紙に書かれた情報より、コンピュータの中に潜む情報の方を好んでいることを
知るべきである。
(by kimito 2005,7/8
紙がこれほど軽視された時代はないのかもしれない。
コンピュータ上に存在している情報だけが、あたかも意味をもっている
かのように、人は、振る舞い、反応している。そんな気がしませんか?。
冷静に情報行動を分析する必要がある。ランプから電球のような
変化の中にいて、あなたは、まだ、ランプが売れるといってはいないか?)
言葉の世界へようこそ。日常何気に通り過ぎたその瞬間に、ふと浮かんだ言葉。そんな言葉を書きとめました。私は詩人なのかしら。ラララ! 黒澤公人は、国際基督教大学を2021年3月31日に定年退職しました。
2013年12月3日火曜日
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