図書データの中のローマ字の悲しい運命(4/18/2005)
日本語には、漢字表記と読み標記という問題があります。
そのため、
ニホンゴ ニワ カンジ ヒョウキ ト ヨミ ヒョウキ トイウ モンダイ ガ アリマス
と、いったカナヨミがつけられます。
そして、ローマ字読みをつけられます。
ローマ字は、日本語の発音を忠実に表現するため、できるだけ厳密に表記します。大きくヘボンと訓令の2種類があり、ヘボンがより発音に忠実にあろうとして
いる。
そのため、 僕は は boku wa , これを は、 kore
o と表記します。
この読みは、配列という問題に大きく関わってきます。
さて、WINDOWS という言葉にも、読みが必要ですね。カナ読み、ローマ字読みが必要ですね。
日本語は、海外からの言葉もどんどん取り入れていきますし、
海外の国名や地名、人名、固有名詞、一般名詞など、忠実に表記しようとしますので、いままで、日本語に無かった音も日常聞かれるようになりました。
また、英語教育も発達してくると、日本語では区別していなかった、l,r
v,b、c,s,th などの音や母音もたくさん区別するようになってきます。
しかし、日本語自体の音は減少傾向にあるようです。いくつかローマ字表記表から消されていく運命の音があります。
現在、ローマ字表では、ヅ ということは ズ という音と同一の音とみなされているため、 つづりかた ということばをローマ字にすると
tsuzurikata になります。
しかし、ローマ字を日本語の発音記号として捕らえていくと、音の増加、組み合わせとして、増加傾向にあると考えられます。
今後、L,Rの区別をして発音するようになるとそれに対応した表記が必要になります。また、Windows,LINUX、computer
などの外来語も日本で使われるかぎり、ローマ字表記が可能になります。
けっこうこれも大変ですね。
しかも、通常の和書の書名でも、windows とつかったり、ウィンドウズと使ったりします。それにもローマ字読みが必要になりますね。
どうしたらよいでしょうか。
国会図書館では、windows
には、読み音のローマ字をつけることを止めて、源つづりをそのまま使うことにしましたが、そうしない図書目録もたくさんあります。
コンピュータが日本で使われるため、256文字しか使えない時期に日本語を表記するために、カタカナで拡張したりしました。そのため、日本語ローマ字の長
音記号などを表記する方法があまり考慮されてきませんでした。(日本では、そうです。アメリカ、ヨーロッパでは、ウムラウトやアクサンをはじめ、日本語長
音記号も表記可能です。もちろん、半角カナなんてものは、表記できません。)
さて、日本語ローマ字はどのような運命をたどるべきなのでしょうか。
難しいですね。
日本で話される(書かれる)すべて言葉を、発音どおりに表記することは可能なのでしょうか。
既に、大きく、ヘボン、訓令の2種類が存在していることを考えると
ローマ字も厳密には発音どおりの表記でないことがわかります。
どうすべきなのでしょうか。
日本語には、常用漢字、人名漢字、旧かな使い、パソコン入力用ローマ字(もどき)も存在しており、ローマ字なんて、ほんの些細な問題のようにも思います、
国家でも、外務省の人名表記は、ヘボン式で、文部科学省は訓令式を推奨していますし、どうすることもできない状況ですね。パソコンを使って、東京や吉祥寺
をローマ字表記できないという単純な現実も解決する方法がありません。(ローマ字長音記号問題が、日本のパソコンでは解決されていないため、Tokyo,
Toukyou
でも、正しいローマ字表記は言えませんね。JRや地下鉄のローマ字表記の駅名をみればわかりますね。まあ、あえてパソコンで書くとすると to^kyo^
といことになるのでしょうか。)
こんな状況で、日本語データベースを管理するなんて、なかなかむずかしいですね。
どうしたらいいのでしょうか。
もうローマ字のことを忘れてしまうのもいいかもしれません。
ローマ字のことを論じているのが、国語学者で、数学者でないのであいまいのままでもかまわないのか??
(4/18/2005
新しい法王の選出のため、コンクラーベという会議をしているそうです。日本語には、音が少ないので、根競べということばに連想します。英語でも、子音、母
音もたくさんの種類がありますが日本では、似たような音になるとみんな同じ表記になってしまいますね。たとえば、スイート(ルーム)、フリー(マーケッ
ト)、ライスなど本来はスペルも意味も違うものが、音表記をすると同じ音のようになってしまいますね。いくら考えてもきりがありませんね。)
言葉の世界へようこそ。日常何気に通り過ぎたその瞬間に、ふと浮かんだ言葉。そんな言葉を書きとめました。私は詩人なのかしら。ラララ! 黒澤公人は、国際基督教大学を2021年3月31日に定年退職しました。
2013年12月3日火曜日
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